本・小説・漫画

心が震える漫画ベスト3、後悔はさせないよ

わたしは漫画が大好きです。

映画や音楽、小説と同じ並びにあるものだと思っています。

漫画には色んなジャンルがありますが、その中でも

感動で心が震えたり、自分のものの見方や考え方に影響を与えてくれた作品を選んでみました。

風の谷のナウシカ


ワイド判 風の谷のナウシカ 全7巻函入りセット 「トルメキア戦役バージョン」 (アニメージュ・コミックス・ワイド版)

言わずと知れた宮崎駿監督の風の谷のナウシカです。

金曜ロードショーで数えきれないほどアニメ映画が放送されているので、

ほとんどの方が見たことある作品だと思います。

当然わたしも大好きな映画です。

しかし、原作の漫画はさらにその何百倍も素晴らしいものなのです。

実はアニメ映画版は、原作漫画のほとんど第一巻の部分だけなのです。

漫画版では、出てくるキャラクターの背景がよくわかります。

誰に対しても大きないたわりと愛を見せるナウシカ

原作では普通の人のように悩んだり、弱ったり、それを乗り越える強さを見せてくれたりします。

傲慢な侵略者のようなクシャナも、実は深い傷を負った優しい人なのです。

わたしがナウシカの次に好きなのがクシャナです。

エヴァのアスカとかぶる気もします。

戦死した部下たちへの手向けに、自分の髪を切って投げる所はかっこよすぎます。

ずる賢い参謀役のクロトワもなんだかんだ良いやつなんですね。

アニメ版には出てこない土鬼の神聖皇帝ヒドラ森の人など、

描かれている壮大な世界観は何度読んでも飽きません。

最後に明らかになる物語の設定には衝撃を受けること間違いなし。

風の谷のナウシカを読み終えた人は皆、

風の谷のじいさんたちと同じように、姫様にをするでしょう 笑

神々の山嶺


[まとめ買い] 神々の山嶺(ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

登山の漫画をあれこれ読んでいた頃に読んだ神々の山嶺

何が良いかと言いますと、羽生不器用さです。

何年かかっても決して諦めず、人の評価ではなく、自分だけの勲章を手に入れるために努力する。

この漫画の食事の描写がすごくて、同じものを食べたくなります 笑

登山は自然相手のことなので、精神力、体力、技術、天候など、

ありとあらゆる要素が揃わないと登頂できないと学びました。

例えばエベレストのある場所では、断続的に落石があるため

頭を上げたり、足を前に投げ出したりしていると命を落とすことになる。

雪崩はビルやトラックが降ってくるようなもので、巻き込まれたら人間なんてひとたまりもない。

氷点下の山の夜は過酷で、幻覚幻聴に惑わされる。

8,000mを超える山では酸素が地上の三分の一。

装備の重さはグラム単位で管理している。

どんな危険があるかわからない未踏ルートにこだわる登山家が多い。

羽生のように単独無酸素となると、怪我をしたり体力が尽きたら帰ってこれません。

死と隣り合わせの登山は、スポーツではなく未踏への冒険なのかなと感じました。

親なるもの断崖


[まとめ買い] 特装版「親なるもの 断崖」(フラワーコミックス)

これは昭和初期の北海道、兵器工場として栄えた室蘭が舞台。

貧しさゆえに青森から室蘭の幕西遊郭に売られたたちの哀しい物語です。

高く売れる器量の良い娘は親孝行、二束三文にしかならない不器量な娘は親不孝という世界。

10代前半で器量によって芸妓娼妓(女郎)のどちらになるか女将が決めます。

不器量な道子はしばらくの間は下働きをすることになります。

十六歳で年長だった松恵は遊郭に着いたその日に客を取らされ、首を吊ってしまいます。

武子は十三歳ながら自分の境遇を悟り、覚悟を決めて厳しい芸妓の道を極めていきます。

怖ろしいほどの恨みを胸に隠しながら。

松恵の妹で主人公の梅子は、松恵を想って十一歳で自ら娼妓になります。

一度、娼妓になったものには幸せな人生は手に入らない。

あまりにも哀しい話。

そして、そんな地獄の中でも強く生きた女性の話です。

また、当時の室蘭には多くの労働者がいて、貧困のため、甘い話に騙され、

中国や朝鮮から強制連行された人たちが死ぬまで酷い環境で働かされたそうです。

日本が戦争に突き進んでいく過程も描かれています。

客だった男は戦場に行き、遊郭は閉鎖され芸妓や娼妓はさらに過酷な状況に追い込まれます。

梅子の娘、道生は軍国主義に反対しながら梅子のように強く育っていきます。

道生の元を去った梅子は何があっても、道生がいたから生きていれたようです。

九条となった武子、富士楼の元女将も強く生き残ります。

梅子、武子の人生を通じて、色々なことを考えさせてくれる素晴らしい作品です。